■□アイーダ□■                     2004.01.31  

「『アイーダ』は愛だ」。
このベタなキャッチコピーを目にするたび、「うぷぷ」な気分を味わったのは、私だけではない(はず)。

ストーリーは、御存知オペラが元。さらわれて奴隷となっているヌビアの王女アイーダと敵国エジプトのラダメス将軍、その
婚約者のアムネリス王女の三角関係のお話。ほほほ、こう云ったら身もフタもないってか。

導入部は、博物館の展示場。古代の衣装や旗が展示されており、中央にはでかい真四角の謎の物体(ラストに判明
します)。衣装の展示物〜その衣装は王女アムネリスのもの。何時の間にか、展示ケースからその衣装をまとったアムネリスが
現れ、自分の生きた時代へと誘います。

エジプトの軍船の上。兵士たちのダンス。上半身裸です。ダンスで鍛えてらっしゃるだけあって、決して貧弱なものではないので
見てて楽しい。中に特に「盛りvv」な方がいらして、某キャラを彷彿と(違)。
そこで暴れん坊王女(元の身分は秘している)アイーダと、ぼんぼんだけど有能な将軍ラダメスの運命の出会いへと流れて
いきます。エジプト兵士。いくら相手が女で油断してたとはいえ、そう簡単にやられちゃうのは如何なものか。「最強軍」の名が泣くぞ。

エジプトに帰ってみれば、ラダメスくんの父上は悪巧みの真っ最中。エジプト王の後継者アムネリス王女と、その婚約者である
息子を早く結婚させ、現王を亡き者にし権力を我が手に…ってやつ。
そこの歌がかっこいい。一緒に悪巧みする大臣たちのダンス(パンフ見るまで暗殺集団だと思ってた…)。かっこいいのん。
ラムネス父は、アヤシゲなマオスーツ。いかにも悪者。大臣たちもそれに倣った衣装で、切れの良いダンス(ややカンフーが
入ってます)をしてくれます。黒の長めの上着が翻るのが、めっさカッコいいのよ〜。

アムネリス王女の登場シーン。いきなりプールです。舞台デザインが斬新。
舞台壁面一面が、プールを上から見た構図。多分宙吊りだと思うのですが、王女ともう一人が舞台上(プールの端)から
反対側にむかって泳いで(!)きます。下側から「プールから上がりました」ってな感じで、舞台に出てくるの。
王女さまは「ビボウとスタイルを維持」する為に、泳ぎこんでますのよ。そこから「おしゃれは私の切り札」というナンバーに。
そこのシーンは、何となく「Material Girl」のビデオクリップのマドンナを彷彿と(古)。
それに続くファッションショー(笑)。とってもPOPで楽しい。これは理由なく楽しめます。なんてトンでもないドレス群。
ま、実際のプレタのショーに出てくるドレスも、結構トンでもなかったりするので、よしとしましょう。モデル(?)さんたちの
出入り口が小さいので、そこでモデルさん達がすれ違う時に、頭をかしげる(またバカでかい帽子を被ってるのよ)のも
楽しい。

ラダメスくんは、アイーダを「贈り物」としてアムネリスに捧げます。
その間にも、アイーダは自分が王女であるという事を秘してはいるものの、相手に怯えたり気後れしたりすることなく、
思ったこと(正論)を述べていき、そんな彼女に対しラダメスは愛を、アムネリスは友情を感じていくのです。

奴隷としてさらわれてきたヌビア人の間に、「アイーダが王女である」という話が伝わってしまいます。皆は彼女を
「自分たちの指導者」にと望みますが、彼女は嫌がります。
しかし結局、彼女はその責任を受け入れます。そしてラダメスの求愛も。

王命により、ラダメスとアムネリスの婚礼の日取りが決り、またアイーダの父ヌビア王が捕らわれた、という報せが。
そこから急転直下、お話は一気に悲劇モードへと突っ走ります。
アムネリスは、婚約者と友人が愛し合っていることを知り。
ラダメスは、アイーダが王女である事を知り、父を逃がす為にアイーダは自分を利用したのでは、と思い。
アイーダはラダメスへの愛と、父や国への責任の板ばさみに苦しみ。

「ヌビア人の脱走」の為に、ラダメスは桟橋に船を用意。それに乗ってヌビア王が逃げる時にみつかっちまいます。
悪巧み大王「ラダメス父」も登場。
〜結局、悪巧みがばれ失脚。
国を裏切った(ヌビア王を逃がした)罪でラダメスくんとアイーダは王前に引き出され、裏切り者への刑罰「砂漠で生き埋め」
を宣告されるのですが…
そこでアムネリスちゃん大豹変。今まで「おばかで軽め」な王女が一転、指導者としての責任と自覚に目覚めます。
「二人一緒に生き埋めに」〜それはアムネリスの二人への愛と友情の最後の証、ということですが…。
確かに「死ななければならない」二人は悲劇です。だけど、生き残った方の台詞「近しい周囲の人が皆いなくなっても、
私は一人でたっていかなければならない」〜こちらの方がつらいのではないかなあ。
少なくとも「死んじゃえば終わり」だし、「王女としての責任を負う」自覚を苦しみつつも抱いたアイーダは、最後は
「王女」から開放されたのだし。
小さな石柩に閉じ込められた二人はしっかり抱き合いつつ、「生まれ変わっても、また会おう」みたいに語りあいつつ
フェイド・アウト。

ラストはもう一度、現代の展示場へ。
そこで例の、舞台中央の謎の物体の正体が判明いたします…石柩だったのかあ。ってことは、発掘当時は二人の
遺骨(いやミイラか?)があったのね〜。
その前で現世に蘇った二人がすれ違います…。

今回の舞台、歌もダンスもバリエーション豊か。楽しめます。
いろんなシーンがあり、アンサンブルの方々の出番もかなり多い。なのに調べてみたら、(アンサンブルを含む)
出演者総勢23名。少ない。それだけ頑張ってくれてるのね。アンサンブルの方々、御苦労さまです。

フィナーレ。
ご挨拶の間に間に、切れのよい「大臣Sダンス」が挟まれます。これ好きやねん。

3月に2回目の「アイーダ」の予定。また新たな発見があるといいなあvv