■□クレイジー・フォー・ユー□■    
(2002.05.26)
 
 

「チケットが取れたけれどどうします…?」
この囁きにすんなり誘惑された私は、参りましたわよ、名古屋まで。
今回、名古屋駅からのナビが居なかった為、記憶の糸をひきたおして劇場にむかいました。
ナナちゃんを見て、交差点で横断歩道を渡って、ひたすらにずんずん直進し、「ポルノ映画館」を通り過ぎたらあと少し。
目印の重要ポイントはラストの「ポルノ映画館」というのが私らしい…のかな?
 

この「クレイジー・フォー・ユー」。
時代はゴールドラッシュが過ぎ去った後。
ストーリーは、ダンス好きで舞台に立ちたいという夢を持つ銀行家のおぼっちゃんが、融資のカタに劇場を差し抑えるべくN.Yからネバダまで向かったものの、そこの劇場主の娘に一目惚れし、問題の劇場でショーを興業し借金を返そうと奮闘するコメディ仕立てのラブ・ストーリー…といったところでしょうか。

続けて観た「四季」の舞台が「オペラ座の怪人」「異国の丘」と、まあ暗い暗〜いお話の連続でございました。
しかし、今回は。
誰も傷つくこともなく、主要キャラは何だかあっという間にカップリング完成してしまうし、主人公たちが若干紆余曲折ある
ものの結局ハッピーエンド。
全編ダンスと音楽がフルに散りばめられていて、「王道中の王道」。
「テーマを考え」たりとか、「キャラの悩み・苦しみを掘り下げる」作業も無用。ただ楽しめばいい、というステージ。

はい、私はそういうのが大好きです!

突っ込みドコロはありそうでなかった(笑)。
舞台で常にセルフ突っ込みしてくれているので、「そうそう、ここで突っ込まな、何処で突っ込むねん!」と安心して観てられ
ました。…違う?
 

ヒロインのポリー。町で唯一どころか、その一帯唯一の女性。ワイルド系。
なんですが。
初盤のワイルドさを強調するシーンでは、ワイルドっちゅうより「おっさん」…?
「おっさん」と「ワイルド」のボーダーラインってナニよ?
ワイルドシーンでは思いっきり「こぶし」回してミュージカルナンバー歌い上げてくれました。

「ワイルド」+「おっさん」+「こぶし」で長距離トラックの運ちゃんを連想してしまった私。いけません。でも似合いそうなんだも〜ん。

でもね。その「おっさん」ヒロインに一目惚れする主人公ボビーって凄いヤツだと思う!
知らないタイプだったから、新鮮だったのか…?オトコゴコロって判りませんねえ〜〜〜!俗に云う「割れナベに閉じブタ」
ってことなんでしょうか?

他にも、売れっ子ショー作家のザングラー氏をみて「…チャーリー浜?」と思ったとか。
ラストシーンの羽根をふんだんに使った衣装をみて「宝○グランドフィナーレ…?」と思ったとか。
更にその羽根を着けたおねえさん方が腕を上げると、その下に膜状のものがふわ〜っと下がるのをみて「おんなは海〜♪」
(ジュディ・オングの『魅せられて』ですな。判らない方はお母さんに聞いてみましょう!ああ年が(T_T))と思わず口ずさみそうになったとか。

〜口が裂けても云えません。

ダンスは気持よかったっす!ステージの規模に見慣れたせいか「ステージ狭いよ」なんて思いませんでした。
タップダンスとか、ヘルメットの頭を木琴のようにどつくとライトが点くとか(東京フレンドパークのあのパッドに合わせて演奏するヤツのノリ)、わらわらと車からダンサーのお嬢さん方がわいて出て来るとか盛りだくさんです。
音楽も聞き覚えのあるナンバーが多いので、とっつきやすいかも。
 

カーテンコールも5回ありました。粘るな、名古屋人。たいしたもんだよ、名古屋人!

そして、どうでもいいんですが。
登場人物の一人。時代考証に合わない野球キャップを被っています。
その上、どうみてもそれが「阪神タイガース」のもののよう。それは俳優さんの好みか、それとも衣装さんの差し金か、今回
最大の疑問としてワタクシの心に残ったのでした…。