■□コーラス・ライン□■    (2006.1.14)

ショーのダンス・アンサンブルを選ぶオーディション会場。
その最終選考に残った、男女あわせて17名に、演出家兼振付師のザックは云う。
「履歴書には書かれていない君達自身を語れ」
〜合格するのは男女各4名。

『コーラス』とはですね、歌じゃないんですよ(歌だと思い込んでオーディションを受け落っこちたのは、山口●一郎)〜歌もあるかもしれませんが、いわばその他大勢。役名もなく、ひたすらスターの後ろで踊り歌い支える人たちのこと。

それから今回の舞台、珍しく休憩なし。通しで2時間40分です。

舞台はオーディション会場。このオーディションは舞台で行われている設定。
そのせいか、装置はシンプル。
鏡。ただそれだけ。それが開いたり、別装置で上から降りてきたり、とまあそのくらい。
衣装もレオタード。女性はデザインこそ違え、みなそう。男性は若干バリエーションが入りますが。
ダンス・アンサンブルのオーディションだけあって、ダンスメインのミュージカル。
ほどよくストレートプレイと歌がミックス。久々にダンスを堪能した気分。


最初にまず17名に絞られるのですが、そこで落ちた(つまり以降出番なし。四季には珍しい使い方です)ダンサーの中に、こてこてのバレエダンサーっぽい方が。衣装のレオタードと云い、「この人はクラシックから流れてきたんだな」という感じ。
17名が改めて名前・出身地・年齢を述べた後、それぞれが自分達について語ります。

その年齢。
昔からの設定年齢を替えていないため、『今年-彼らの年齢』をちゃんと生年にしてます。細かい。
ただ、中国系のコニーが年齢を云いたくないため「酉年です」と誤魔化すシーンがあるんですが・・・あとで年齢がバレた時に、「?計算違ってないか」と思いましたです。

そのコニー。
背が小さいため、いくらキャリアを積んでも子役しか回ってこないという悩みが。このコニー役の方の体型にすんごい親近感が。
ほら、まさしくアジア人。キミとは同じ人種だハイホー!下半身がしっかり、足はあまり長くなく・・・実際演じているのが、白人黄色人種関係なく日本人がやってるわけですよ。おそらくスタイルの差を視覚的に作っているのかとおもうのですが、レッグウォーマーの付け方のせいで、足が太く見えたんですよ。

「外見がよろしくないばかりに、オーディション落ちまくりよこのヤロー、だから整形してやったら仕事がきたわ」なヴァル。
まず「・・・だから形成外科にとびこんだの」。
顔もかえるなら整形なんじゃないだろうか、とちらりと疑問。
さらに「尻と胸にシリコンいれて」。以前、雑誌で海外セレブあたりで「今、尻の整形が新しい」というような記事を読んだんですよ。
バスト整形の波はもう過ぎて、いまや尻と腰。ただ、かなりしんどい上に重いらしく・・・、という話だったんですが。重くないのか。普通にしてても重いらしいのに、まして踊る。プロで。えええええ!

初めての舞台はホモ・ショーでした・・・な、ポール。
ホモ・ショーってなんだろう。大阪で云う『ベ●ィのマヨ●ーズ』みたいな、おかまさんパブのショーなんだろうか。そういうショーが一応ショービズの一つとして確立してるんだろうか。なんかキワモノで、本当に正統派扱いされてないけど確立してるっぽいなあ。
つか、他の男性も何となくベクトルがゲイ方面に向いているキャラもいたので・・・えっとそんなに人数多いんですか。

「女優の才能がない」と云われたディアナ。
高校の芸能コースの授業で、「●●になったつもりで」「××を感じているつもりで」が出来ず、教師に「女優に向いていない」とレッテルを貼られて・・・っつのは、結局あれだ。感性より理性の人なのでは、と。だってさ、人はアイスクリームにはならないから、「溶けていくアイスクリームの気持ち」なんて、理性で考えたらわからないよなあ。演技は感性だけじゃ出来ないと思うので、ちょっと唸ってました。、『「才能がない」と決め付けた教師が亡くなったと知り、自分の気持を分析したら涙が出た・・・その死に何も感じなかったので』は痛いな、と思いましたね。こういうことってあるよね・・・。

夫婦でオーディション、なアルとクリスティン。
ダンステクはあるのに、アガリ症でその上致命的な音痴、なクリスティンをサポートするアル。
クリスティンは全面的にアルを信頼している、というほのぼのカップル。結局二人とも4名の中には入れなかったのですが、比較的
(音痴、という爆弾以外)他の役と比べ穏やかな印象なのは、もう一つのカップルとの対比かもしれません。

そのもう一つのカップル。この場合、『元』がつく。
演出家兼振付師のザックとキャシー。キャシーは若い頃、コーラスガールからスターの座についたものの、ハリウッド進出に挫折、もういちどコーラスガールから始めようとしている設定。
そこで、かつての相手が「その他大勢」になることが耐え切れないザックと、「もういちどやり直す」「コーラスたちにも誇りがある」ことを譲らないキャシー。
同じ世界に生きているのに、考えかたや生き方に溝が出来ちゃってる二人。
なんかね、女々しいのはオトコの方だね、と思いました。キャシーの方が強いし逞しい。そこにいたるまで、いろいろあったものの、一度腹をきめたら強いよオンナは!って感じですね。


ポールが足を痛め、それを機に「踊れなくなったらどうするか」という意地悪な質問。
安定は欲しいけれど、安定などないことを承知でこの世界にいるのだ、という答えが。
みな「踊れなくなったら」「ああしよう」「こうしよう」と云いながら、今「踊る」ことをやめないんですよね。

最後に男女各4名ずつの合格者が発表されます。
が、合格者は勿論、その最終オーディションに落ちた人も、その前に落ちてしまった人たちも、きっと踊る事はやめないんだろう、とそう思いましたね。


とういことで、12月から続いた観劇月間はこれにて終了。
次の予定はたってません。
5月の『南十字星』には、あまり食指が動かない・・・。観るんだったらもう一度『マンマ・ミーア!』かなあ。
東宝系はしばらく大阪にきそうにないよ(-_-;)