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(2003.04.04) 
 
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「トニー賞」を受賞したものの、賛否両論なミュージカル。ミュージカルとはいえ、歌は無いわ(少々あるけど)使われる曲は全部
既成の曲だわというこれ、観にいって参りました。しかも「バックステージ・ツアー」付。

三部構成…3つの異なるストーリーから、このミュージカルは成り立っております。それぞれのストーリーに関連性は
ありませんが、「コンタクト」というのが共通のテーマ。

第一部「SWINGING」。
フラゴナールの「ぶらんこ」という絵がモチーフです。フランス革命の少し前くらいの時期、ピンクのドレスを着た貴族の女性が
ブランコに乗って遊んでる、というもの〜ただし、スカートの中が下に居る男性に見えるように足を振り上げてます。
舞台の方は、召使にブランコを押させ貴族の恋人と戯れているピンクのドレスの女性。途中で空になったワインを恋人に
取りにいかせた隙に、その召使と…ってダンス。
貴族の恋人との時は「焦らせたり」「恥らって見せたり」というテクニシャンぶりを見せますが、召使とはブランコの上で
大胆プレイ。ホットダンスです(笑)。ホットダンスっていうと、結構露出の高い衣装で踊ってるのを見ますが…いや、
ああいう「コルセット」のいる裾の長〜いドレスで足を見せたり見せなかったり♪ってのは結構そそるかも(違)。
や、実際凄いわ。
そしてオチ。ワインを手に戻ってきた恋人と召使…上着を交換して入れ替わるのです。
だから「わざと貴族と召使が入れ違っていた」のか、「恋の勝者が貴族」なのか、はたまた他の意味があるのか。
はてさて。

第二部「DID YOU MOVE?」。
時代はぐっと下って1954年、イタリアレストラン。マフィアの横暴亭主が大人しい妻と食事に来ていて〜という話。
このタイトルは、亭主の台詞ですな。席を立つ時必ず「動くな、笑うな、愛想するな」。席に戻ると「動いたか?」。
はい、いくら大人しい妻でもフラストレーションたまります。たまらん方がおかしいよな、な亭主っぷり。
そのストレスとフラストレーションの権化な妻が、亭主が席を外した間に彼岸へ〜いえいえ妄想モードに入っちゃう。
そこで他の客に悪戯したり、ボーイ長とダンスしたり自由奔放に振舞います。
妄想モードの中で、亭主の落とした銃をボーイたちが隠すのですが〜ほら、肉料理の上の銀のフタ。あれが3つ並んでて
それを左右に動かして「銃が入ってるのはど〜れだ?」と。あれは笑える。おまけにマフィア亭主、律儀に「これ」って
選ぶんですね〜全部外れるけど。しまいに賄賂を掴ませて場所を知ろうとするあたり、可愛いんだか何だか。
〜フタを蹴とばしゃいいんだよ、アンタ。どうせルール無用なキャラなんだから。
で、彼岸の中で妻は遂に亭主を撃ち殺します…ま、想像の世界なんですが…そこまでストレスためるなよ〜vv
殺した後は楽しげに踊ってたし。でも「どこに銃が入ってるか真剣に当てようとする可愛げ」を亭主に見ているあたり、
まだまだ亭主に我慢が出来るのか。
余談ですが、レストランにいるシガレットガールの衣装が可愛い( ̄ー ̄)

第三部、「CONTAQCT」。
1999年。広告代理店の重役マイケルが自殺をしようとして…という話。
自殺をするべく首を吊って、そこから彼のイメージの世界に入っていくのですが。
追われてたどり着いたスウィングバーで、「黄色いドレスの女」と出会い、彼女とお近づきになろうとするのですが
なかなか…という展開。
マイケルは「踊れない」んですね。しかし「黄色いドレスの女」は踊る〜高久舞さん、綺麗です。流石。〜、店の客たちも
踊る。その中でようやく勇気を振り絞って彼女と踊るのですが〜下手。役者さんが下手なのではなく、「踊れない
人が無理やり踊ったらこういう感じ」という振り付け。これは踊れる役者さんにとっては辛いのではないかと。
カウントも取れないし、わざと外してる振り付けでもなし。技量がいるかなあ。
ここでバーテンダーが歌うのが、全編通じてたった1ヶ所のナマ歌。でも鼻歌モードなので「歌い上げる」わけでなく。
彼女と踊った後、首を吊ったシーンに戻るのですが…私、びびってましたよ〜。だって「首吊った」状態のままの間
が長すぎ。「まさか、首吊って死ぬまでに見た走馬燈のような人生ってやつか?」
首吊り死体がラストシーンなんてあんまりなミュージカルではないか?
首吊ってた紐を自分で引きちぎってくれた時には、「良かった〜」としんそこ安堵いたしましたよ。

個人的に。
キライでもないけど、「また観たいな」という程ではなかったです。
成る程、賛否両論別れたわけだ。

バックステージツアー。
「CATS」ほど仕掛けも無い舞台なので、そんなに見て「おおッ」という程のものは無かったな。
ただ小道具さんのディテールへの拘りは素敵。第二部用の「開いても閉じても本物なメニュー」、そういうのに
労力を惜しまないのは好き。
さて、このツアー。抽選で当ると限定2名さまに「第一部のブランコに乗れる」「第三部の黄色いドレスの女がスウィング
ドアから登場するシーをやらせてもらえる」という特典が!!残念ながら私と連れは外れましたが…当った方がサービス
精神旺盛な方で。
まずブランコ組。ピンクのドレスの女の真似をし、足を蹴上げたり、隣に座ってる人に足をのっけてみたり☆
もっとスゴイのが「黄色いドレスの女登場シーン」を引き当てた方。スタッフに頼まれたわけでもなく、勝手に
振付けて踊りながら登場。なりきってます。女優です。北島マヤです(笑)。会場も大受け。
今回がこのミュージカル最後のバックステージツアーだそうですが、踊った方は初めてだそうです。
−−−さすが関西ッ!どうせならそこまでやらんとな。