■□ライオン・キング□■ (観劇日・2004.12.18)

ディズニーアニメで皆さまご存知かと。
「次代の王となるべきライオンの子が、姦計により父を殺され故郷を追われ、成長後に悩んだ挙句に故郷に戻り、父の
仇である叔父を倒してハッピーエンド」というお話。

実を言えば、最初観る気はなかったのです。原作のディズニー版に対するイメージがめさくさ悪かった!
かの「ジャングル大帝」の「ぱちもん」という印象が強烈過ぎ。この件について散々叩いた記事も読んでましたし。
しか〜し!某音楽番組の「四季特集」で観た「ライオン・キング」の造形が気に入りまして、方針転換。
ディズニーに罪はあるかもしれないが、ミュージカルにはない、ということで。

舞台がアフリカ、動物王国(ム○ゴロ○さんとは関係ございません)。もちろん、出演者(?)はオール動物。
オープニングは、ヒヒのラフィキのソロ。それにあわせて続々と動物たちが客席通路を通ってやってきます。
ピュ−マの尻が可愛い。象のひだひだが愛しい。鳥役のお姉さんの動きが美しい。キリンがスリリング。インパラ(?)の群れを表現する女性はスタイル重視(だって肌色レオタードに体のラインを強調する模様入り)。
歌がすごいのに、どうしても動物の造形に目が行ってしまう〜(笑)。あのアイディアはさすがです。文章で表現はしにくいよう。
造形といえば、メインキャラ(ライオン以外)は、ディズニーのキャラデザに準じてます。が、巧く消化してますね。
特に「王の執事」を勤める鳥ザズ(多分オウム系)、大きさはライオンより小さいはずですが、演じるのは生身のオトナの人間。アニメのような大きさの対比は出来ません。そこで、鳥の人形を使い、巧く表現。

四季で初めて見た子役。一生懸命頑張ってます。力入ってる。少女時代のナラ役のお子さんがかわいい。チャイナ巻がとおってもお似合いでキュート。先行き楽しみなお子です。

ハイエナトリオ。これは凄い人たちだと思います。基本姿勢は中途半端な前傾姿勢。その格好のまま動き回る。
こういうのは他の動物たちの中にもいるのですが〜ただ、彼らは歌のパートがかなりあるんですね。あの姿勢でよく声が出るものと思いますよ。
ムファサ王の弟スカー(どこかで聞いた名)に陰謀の肩車を担がされるハイエナたちのダンス。たくさんのハイエナが出てきます。みな、メインのトリオと同じ造形。その中に、えらく身軽な6人組。前足代わりのグローブもなし、ハイエナの被り物もなし。お面状のハイエナの顔を頭部につけただけ、衣装は被り物ではないので「あれ?」と思ったら、ハイエナの中でも激しいダンス担当。それがね〜腹割れてるのよ、みんな!細いのに、腹筋が割れてるのッ!思わず筋肉数えそうに(爆)。

命を落としたムファサ王を痛む雌ライオンたち。そこで笑撃…いや衝撃のシーンが。
嘆きのあまり、頭につけたライオンフェイスの面から滝のような涙を流します。いや、まじで。両目から白い帯状の布がだ〜っと。哀しいシーンなのに。絶望のシーンなのに!あまりにこてこてな表現に思わず笑いが。
…これは演出の伏線として、後半部分に繋がるんですね、実は。姦計により王になったスカーに、ムファサの未亡人サラビは目から流しつづけてた涙を引きちぎっちゃう事によって、決別を表現。そうか、ギャグじゃなかったんだ。

イボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンはご当地弁を喋る〜これは知ってたのですが…歌まで名古屋弁!
アフリカのくせに「みゃあみゃあ」云い続けてます。拾われたシンバも一瞬「みゃあ♪」と歌ってるのが可愛い。
〜どうせなら大人になっても「みゃあみゃあ」云ってたら楽しかったのに、標準語に逆(?)戻り。ちぇ。〜ってことは、大阪でやった時は関西弁だったんだね?関西弁の影響力ってば強烈なので、も、もしかしたら大人のシンバが関西弁喋ってたかも。河内弁ですごんでたら、迫力あって楽しかったのに〜!!

後半。「間もなく幕が開きます」のアナウンスの後、場内が暗くなって…が普段のお約束。しかし今回、明るいままにいきなり舞台にかけ上がってきてアカペラ始める出演者。そして続々、客席通路からご登場。
その時のダンス。男女とも、バストを被うトップとボトム。当然腹は見えます(笑)。いえね、女性ダンサー達も割れてんだよ、腹。びば腹割
れ!

シンバ、プンバァ、ティモンが「この場所で腰を落ち着けるかどうか」でちょっともめかけるシーン。草や木は書割ではなく、人間が演じてます。その中で草。4人の男性。まあ、動物どもの勝手な言い草にイチイチ反応し、謎のセクシーポーズを見せてくれたり、寝転がったティモンを抱きかかえてくれたり、と「E.Tが未知との遭遇でプレデター」なある意味えすえふな草たち。だが、問題はそこでは無かったのよ。草の造形。まず頭に帽子のように草を乗っけてます。イメージとしてはカイワレダイコン。あれってスポンジ状のものから生えてる状態で売ってますね?あれを帽子にしたようなもの。
問題は衣装。顔のドーランと同色の全身レオタード。遠目にははだか。レオタードなんで、お尻の割れ目とか(笑)、前の部分が〜いえね、それだけなら流すんですよ。レオタードの上から等間隔でコイルのように緑のリボンをぐるぐる全身に巻いてるんで、余計にですね、なんだかアヤしいと申しましょうか。ごにょごにょ。何ですか?違うショー(どんなショー)?みたいな?

衝撃(笑)のあまり、イッキにラストへ。スカーを倒し、王座についたシンバとその妻ナラが皆に自分の子供をお披露目…ってアンタ!
いつのまに作ってん?おいおいおいおい。にいちゃん、手が早い(笑)。このシーン、冒頭に同じシーンがあって、そこではムファサと后サラビが子供のシンバを同じようにお披露目してるんですよね。その時の「子供」は「ぬいぐるみ」ですが、冒頭では気づかなかったものの、ラストではぬいぐるみの足がちゃんと動いてる。先ほど「何時の間に作った」と申しましたが、ストーリーで台詞をちゃんと聞いていれば「何年か経過している」のが判りますが〜「王国が荒廃して群れを作る草食動物が皆逃げていった」という台詞→お披露目にそういった動物たちが揃っている〜。アニメではあからさまに大人っぽいキャラデザに変えてたんでわかるんですけどね(笑)。

本編には関係無いですが、ちょっとハプニング。釣り竿の糸の先にモビール状の鳥をつけてぐるぐる回して飛んでいる様子を表現しているシーン。ほとんどは釣り竿1つに鳥1羽。しかし中に、一つの竿の先に2羽の鳥をつけて回している方がいたのですが…鳥、絡まってましたよ。まあ「仲よきことは美しきかな」ということで(笑)。

それから、スカー。メイクのせいか、『夢から醒めた夢』に出てたデビルさんを思い出します。デビルさんはかまっぽい設定だったのですが〜悪役スカー、決してかまっぽくはないんですが、何となく小指をたててそうな(笑)。

今回、出張先から劇場のある名古屋に飛ぶ、という無茶をやらかしましたが、やった甲斐はあったと思う。うん。観てよかった。