■□マンマ・ミーア!□■ (観劇日・2005.8.20)

アバの音楽に乗せてお送りするミュージカル、というもの。
今回はほぼ中央、前から6列目。劇場は初めての大阪四季劇場。今年の冬に杮おとしをした所。まだまだ新しい。
2階席へは、撮影にぴったりな螺旋階段が。

ストーリーは、シングルマザーのドナと暮らすソフィが、自分の結婚式のヴァージンロードを、父と歩きたい!と思い、父親探しをしてみたら---父親候補が3人も出現、全員をドナに内緒で式に呼んでしまう事でちょっとした騒動に~というお話。

ストーリーは可愛らしく、ハッピーに終わるのですが、・・・オトナ向け(笑)?いや、いろいろとシーンがね(笑)。
開幕前の場内アナウンス、お決まりの「携帯電話の電源は云々」に続き、「神経の過敏な方は、登場する厚底ブーツやファンキーな衣装にビックリしないで」なんて云ってましたが、それよりも上記の「いろいろシーン」に注意を喚起すべきかも~。
客層は幅広かったんですが、お子ちゃま!大丈夫か!何やってるかわからなかったら大丈夫なんだろうか。


さて冒頭。
ソフィが結婚式に参列する為にやってきた親友たちに、「パパ探し」の話を。
母ドナの日記を盗み読みしてみせるんですが~日記でぼかして書いてある部分、「そして『てんてんてん』」「『てんてんてん』って何よ」「昔はエッチのことをこう書いたのよ!」
まあ、同じ時期に「てんてんてん」が相手を違えて3人出てきちゃったのが、大問題となったのですが(笑)。とにかく、このままだと「ヴァージンロードを3車線で歩かなくちゃならなくなるから」で、1名に絞る為に、容疑者3人を招待するわけなんですが。

ソフィも含めて、衣装はこのまま道を歩いてもイケそうな。
ローライズのへそ出しファッションなんですがね、腹がね、出てないの。つか、割れてるの、腹筋で。りりしいへそ出し。
後から出てくる男のコたちも、さすがダンサー、みな腹が割れている。腹はらハラ。ないす腹。

ここでハプニングだか演出だかわからないことが。
ソフィとその親友2人のダンスシーンの最後。親友の一人の手がソフィのスカートに引っ掛りめくれ上がり、ぱんつが。
ええ、ヒロインのパンツが見えちゃうんですよ。最前列のおじさんはもっとばっちり見えたんじゃないかな(笑)。
ま、眼福ということで。

ママのドナは小さなホテルを切り盛りしてるんですが、そこにママの親友2人が結婚式参列のためにやってきます。
ロージーとターニャ。
ソフィが20歳なので、親の年代である彼女らの年齢は、だいたい想像がつくかと。
それが、集まるとはっちゃけちゃう。お互いぽんぽん云いあうのですが、それも親愛。
「整形しすぎて原形とどめてない」だの、ターニャの胸を揉みに行くだのやりたい放題。

ロージーは本を書いているのか雑誌の編集だかのキャリアウーマンで、独身。
ターニャは金持ちとの離婚3回による慰謝料で遊んで暮らしてるらしいセレブ。
このうちのターニャ。今回は前田美波里さん。前評判で今ひとつ、と聞いていたのですが~確かに声質がハスキーなせいか、客演ということで多少浮いちゃうせいか、そのあたりは残念。ただ背が高くてプロポーション抜群。露出の高い、体型がばっちり判る衣装がお似合い。ええ、これこそ眼福よ。うっとり。

で、ここでふと思ったのですが。
ドナとロージーとターニャ。全員違う道を歩いていて、おそらく滅多に逢えるわけもない。でも親友。お互いぶっちゃけた話も全部できる。
冒頭に出てきたソフィとその親友達。彼女らもあと20年経ったら、こういう風になるんだろうか。
なったらいいなあ、と思いましたよ。

ちょっとおかしかったのが。
彼女らがホテルにやってきた時、ホテルのバーっぽい所の隅で、黒いヴェールをかぶったおばあさんが編み物をしていたんです。
歩くときもよぼよぼよぼ。
なのに、そのおばあさんがロージーとターニャの荷物を彼女らの部屋に運んでやるんですよ(笑)。ばーちゃん、すごい。

パパ候補もやってきます。
おそらく本命っぽい建築家のサム。そして銀行家のハリーに旅行家のビル。
全員「21年ぶり」に「思い出のある」、「このホテルに来た」理由がわかってません。

結婚式前夜。

ソフィとスカイ(ソフィの婚約者)のところに、ダイバースーツの若者が集まってきて、「式前夜の新郎は、海に潜って真珠のネックレスを取らなくちゃ」ってんで、スカイを誘い出すのですが、そこ。
スカイとソフィ以外は、ダイバースーツにシュノーケルをつけ、足にはフィン。それで歌い踊るわけ。楽しい。ぺったんぺったんフィンが動くさまは笑いを誘います。
でね。
その後にね。
むかれちゃうんだよね(笑)。
スカイは若者たちに押し倒された挙句(誤解を受ける発言)、シャツもズボンもさっくり脱がされちゃうんですね。
ぱんついっちょになるんですね。これは冒頭のソフィぱんつと違い、明らかに演出。
ここは、ヨコシマでもタテジマでもなく、「ダイバースーツを着る」ため、なんですが。

女の子だけのパーティーに現れたのがママとその親友達。
一夜だけのグループ再結成(若い頃3人で歌っていたらしい)、昔の衣装の縫い目を解いて(笑)、「息が続かないから1曲だけね」と登場するのが、厚底の~フリンジの~、うん、特撮の「電磁戦隊デンジマン」の頃の悪玉ボスとその周辺、のようなデザイン。色は白だったけど。もうめさめさ楽しそう。

海から戻った若者達が真珠のネックレス((前もって仕込み済み))を見せながら、女の子たちと合流。さて、そこで。

パパ候補者3名は、それぞれ「僕が君のパパなんだ、だから招待されたんだ、喜んでヴァージンロードをエスコートするよ」。
ヴァージンロード3車線確定か?って感じで1幕終わり。

2幕は、ソフィの悪夢から。
悪夢の中で、3人の正装したパパ達がしずしず登場。その中に正統派ウェディングドレス姿の女性が。
えらく背が高いなあ、まさかターニャが着てるとか?と思ったらウェディングドレスの人物は徐に前に出、白いヴェールをばっと上げるとそれは~新郎のスカイ。胸板が厚いもんで(さすがダンサー)、胸のファスナーがとまらず、上の方が開いてます。で、無表情。
無表情な男の正統派ウェディングドレス。
---確かに悪夢だな(笑)。それもカレだったらな。カレが自分のパパにエスコートされちゃうってどうよ!みたいな。

うなされて中庭に出るソフィに、ドナは「結婚なんてやめていい」
話は前後しますが、ドナ達は「結婚という体制に縛られるなんてナンセンス」という思考の持ち主達。彼女らの時代はそれがトレンディ(死語)ってことで。その娘が「ちゃんとした結婚式を挙げたがる」という皮肉というのもあるわけです。

結婚式当日。
ドナのホテルで働く青年ペッパーってば、食べられちゃったらしい(笑)。ええ、ターニャに『こまされちゃった』ってわけよ。
『こまされた』ペッパーは、ターニャに一生懸命。でもターニャはあっさり「ゆうべの事は忘れましょ」。
それでも食い下がるペッパーと、呆れるその友達たち。
ターニャは「あんたがこんなコトしてるの、おかあさんは知ってるの?」ですげなく。
歌いかけてるんですがね、これが結構。年上の余裕というのか、つるり、と顔をなで上げるくらいはともかくよ、股間に蹴りは入れてみるわ、挙句にペッパーの乳首を摘んでみるわ(笑)、いやはや。でもペッパーは諦めない。ついでに、最初は呆れてたペッパーの友人たちも何時の間にやら、ターニャにやられちゃってます。

式直前。
会場で、キャンドルに火を灯しているロージー。
側で「父親って云われても」で、最初は勢いで「ヴァージンロードを歩くよ」と云ったはずの旅行家ビルがぐじぐじ悩んでます。
そこでロージーが「あたしとどう?」と口説きソング。
「守ってあげるし支えてあげるし一緒にいてあげる」と、迫ってく。ロージーが近づくと、他の椅子に逃げるビル、その繰り返し。
しまいにゃ逃げ切れなくなったビル。とうとうロージーを受け入れて・・・。
でお二人、いきなり臨戦態勢。キスじゃないのよ、その先なのさ。あんたそれもよ、式が始まる5分前のヴァージンロードの上よ?勢いついたらとまらんのは、若者も親世代も同じということか。
---そりゃ入ってきた客は驚くわな(だから途中で中断)。

ここまできて、思ったんですが。
ドナといい、ターニャといい、ロージーといい、行動的っつうか、男の上手を行っている。それとも男がだらしないのか。

結局ソフィはヴァージンロードを、母ドナと歩くことを選びます。
ママへの愛と尊敬と感謝をこめて。

そこでパパ容疑者の3人がそれぞれ祝福を。
誰も「1/3でも、君のパパになれて幸せだ」。
その中の銀行家ビル。同様に云った後に「ドナは僕の最初の女性で最後の女性だから忘れられない」。
一瞬プロポーズかと思うのですが、「でも僕のパートナーはジャックだ」
はい、カミングアウト宣言。そこで「あなたは受ですか攻ですか」なんて思っちゃうのはいけないのでしょうか(笑)。
プロポーズしたのは本命サム。ドナは受け入れます。

「私、結婚はやめたわ!」と宣言するソフィ。結婚というより、結婚式という体裁をやめたということなんですが、しかし式はドナとサムで引継ぎ(笑)。ロージーとビルもまとまったらしいし、楽しく記念撮影で終わり。

そういえば。
式でのターニャのエスコート役はペッパー。ターニャ役の前田さんの背が高い(その上ヒールだ)ので、ペッパーの靴はこっそりヒールでした。退場時、ペッパーが腰に回した手を、ターニャときたら強引に位置替え。ええ、尻に!

最後のご挨拶。
最初は普通に音楽にあわせ礼。
それからぷちライブ状態。もうスタンディングで客席は手拍子するわ踊るわ。初めてですよ、劇団四季のミュージカルで客が踊れるのって。アンコール以外の手拍子って。いや楽しい。ライブみたい~。でもね、ノリのいい曲はやっぱり踊りたいわけですよ。これが大人しく座ってるだけだったら欲求不満。
お年寄りの観客にはきついかも。

思ったより楽しかったんで。
多分もう1回は観に行くと思う。ロングラン決定らしいですし。