■□第一話『遺されし者たち』感想□■ (2002.4.2)
前半は「いままでのお話」的なものでしたね。
一部を全く知らずに読む方には、不親切な「いままでのお話」(笑)。
でも私は単純に嬉しかったですが。特に水貴の決め台詞が「頭悪いな」だったのが。
 
さて、本編。

「こいつ(豪希)が仲間だと思っていた。」

水貴が「澪姫は月抄の仲間に殺された」と断言したとき、麗も一馬も不知火も驚いた顔してました。
それは豪希が「仲間」だと思っていたからじゃないでしょうか。
この事実(どう見ても自分達と敵対する行動) が目の前にあっても、豪希が自分達の仲間だという意識はそう簡単に覆せない
です。

豪希を「月抄の仲間」と言ったのは水貴なりの思いやり(乱暴だけど)かも?とか考えちゃいましたっ。

これも水貴を贔屓にしはじめたせいか?

次に動けるように、一馬たちに「豪希は仲間じゃない」という一応の結論を出してやる。
そして「自分達」ではなく「月抄の仲間」に殺されたのなら「裏切り」じゃないんです。
そこもポイント。これは水貴も自分に言い聞かせているようで。
それに。
周囲にぼろぼろの緋嘉見の人々がいる状態で、「仲間が裏切った」とは言えないし?
そのあたり、中心にいる人物の考慮点。
また豪希の名を敢えて口にしなかったような気がしました。事実を純は察したと思いますが、緋嘉見の人々がどの程度
豪鬼の出自を知っていたのかは疑問。(多分、ごく一部しか知らなかったのでは?)
…緋嘉見に豪希が戻れる可能性を水貴は残したんでしょうか?
「豪希が(月抄ではなく)自分達を選ぶ」…そう信じて、水貴は豪希を神器に触れさせたはずですし。
でもま、そこまで考えめぐらすとコワレるよ?と水貴に対して思ってたら…。
「やっぱりな」

例のマロ氏が暗躍をしようとしてますが、「あんたには分不相応」(笑)。
黒田も月抄に対し思惑があるようですし…小悪党がつるんで何かするでしょうか。
それはそれで楽しいし〜。
まずマロが壊滅状態の緋嘉見に現われ、意識の戻らない水貴に代わって(もっともらしい理由は付けてな)
緋嘉見を牛耳ろうとする。そこへ目覚めた水貴登場、神路祇(本誌で表記が2種類ありましたね?)
との決別を宣言!マロと霊力のぶつかり合い!弱っている水貴を庇って麗の霊力全開〜!…にはならないでしょう。
 
麗。
すごく判りやすいとしか。お約束通りの反応。おたおたしっぱなし。
純を見て泣き出す処なんて本当に年相応というか…。あの年代なら女の子の方が精神的に大人びていると思うんですが、
彼女は違います。男の子たちに負けてます。
彼女は緋嘉見一般人の感情面代表者か?
哀しくてどうしようもないという感情。
哀しくてどうしようもないけれど、動かなけりゃならないという理性的な判断。
しかし、その「判断」に水貴は潰されかけです。
麗にはうまく彼をサポートしてほしいです。
 
月抄サイド。
月抄さん。弱っていても、また「感情がわからない」といいながら
「様子がおかしい豪希」を「頼む」というあたり、やはり父上です。
「感情がわからない」とわかってるだけいいです。自覚あるんだからな。
しかし月抄さん、「終わりの時」云々と仰ってますが、諦めんなよ、と個人的エール。

蘭丸。女性バージョンなのに、今回力丸より凛々しい(笑)。
「母たる資格はない」と言い切るあたり、マル。甘いだけじゃないのよさ。
息子もつらいけど、おかあもつらいのよさ。
で、闇の世界の人間になっても、妊娠期間は普通の人間と同じなのか、と妙なところで感心。
…そっか、蘭丸は経産婦(なんかリアルだな)であったのか。

力丸。一目惚れなのはいいんですが、コクったその日にコトに及んだのでしょうか…?
ちゃんと「合意の上」だったんでしょうね?
犯罪行為は犯してませんね?
それより100年も想い続ける持続力には脱帽。結構ヒースクリフな方(笑)。